燃料(Fuel)と燃焼(Burning)


このページでは、炎のシミュレーション用の燃料と燃焼エフェクトを手動で作成するための方法を紹介します。

まず、ファイル→プロジェクトウィンドウから新規プロジェクトを作成します。

ウィンドウの右上隅にある作成 [新規]ボタンをクリックし、名前を付けます。


Phoenix FDはシミュレーションデータを現在選択されているプロジェクトのデータディレクトリに保存します。
ファイル→プロジェクトの設定…から手動で別のプロジェクトディレクトリを指定することができます。
ファイルから現在のプロジェクトのSceneディレクトリを選択し名前を付けてを保存します。


エミッタとして使用するジオメトリを作成します。この例では、デフォルトのポリゴン球が使用されています。
ジオメトリの名前をsource_geo_01に変更します。


Phoenix FDシェルフからFire/Smoke Sourceをシーンに追加してください。

新たに作られたSourceオブジェクトをphx_fuel_source_01に名前を変更し、セットをphx_fuel_source_setに名前を変更します。
マウスホイール(中ボタン)でsource_geo_01をphx_fuel_source_setにドラッグします。



Fuel Sourceを選択した状態で、アトリビュートエディタに移動し、Temperature(K)Smokeのチェックを外し無効にします。
代わりに、Fuelを有効にします。
TemperatureとSmokeを使用して炎や爆発を作成することは、有効な方法です。ただし、このチュートリアルでは、Fuelを使用して燃焼させ、コンテナにSmokeとheatを追加するシミュレーションの設定に焦点を当てています。


Phoenix FDコンテナを作成し、ソースジオメトリの周りに配置します。

セルのサイズを0.1に減らします。

自動的に生成されたセットの名前をphx_preview_set、phx_lgt_set、およびphx_sim_setに変更します。
マウスホイール(中ボタン)で、source_geo_01とphx_Fuel_Source_01をphx_sim_setにドラッグします。

PhoenixFDSimulatorのScene Interactionタブで、Exclude ListExclude Hidden Objectsのチェックを外します。これにより、Phoenixでのシミュレーションの内容を完全に制御することができ、問題が発生した場合のトラブルシューティングがより簡単になります。
Exclude Listがチェックされていないので、phx_sim_setにシミュレーションで使用するジオメトリやソースを追加する必要があります。


Outputタブに移動し、Fuelを有効にします。
ビューポートでプレビューするすべてのチャンネルをキャッシュする必要があります。
シミュレーションのレンダリングでモーションブラーが必要な場合は、Velocityも有効にする必要があります。


シミュレーションを開始します。
すべてが正しく設定されている場合はSimulatorのPreviewタブでFuelを選択して、Fuelチャンネルをプレビューできるようになります。


コンテナ内に多くの燃料があるにもかかわらず、何も反応が起きていないことに注意してください。Burningを有効にする必要があります。
SimulatorのFuelタブを開き、Enable Burningをオンにします。
Phoenix FDの燃焼プロセスは、燃料を煙に変え、熱を放出し、ボリュームを増加させます。生成される熱量は、Energyパラメータによって制御され 、体積の増加はPropagationパラメータによって制御されます。


Energy - 燃料の燃焼によって放出されるエネルギーを指定します。

Ignition Temperature - 着火温度(ケルビン)。環境の温度は300K(約27℃)であることを留意してください。

Fuel Depletion - 燃料が燃え尽きる速さ。

Smoke Amount - 燃焼中に発生する煙の量。

Smoke Threshold - 酸素が燃料よりも少ない時、燃焼する燃料のうちどれくらいが煙を発生させるかをこの値で制御します。値を高くするほど燃焼する燃料の煙が少なくなります。

Propagetion - 点火の伝播する速度を制御します。



燃焼プロセスは酸素を消費しますが酸素量は直接入力できません。しかし、燃料、煙、酸素の合計を1.0として計算するので酸素量はひとつに定まります。一例として、燃料が0.3で煙が0.2の場合、酸素は自動的に0.5として計算され、3つの値の合計は1.0になります。
言い換えれば、シミュレーションによって発生する煙の量に注意する必要があります。



PropagationEnergyの値を高くすると爆発的な効果をもたらします。

Propagation:1  

Propagation:30



燃料を着火させるには、Temperatureの熱源が必要です。
新たにFire/Smoke Sourceをセットして温度以外のすべてのチャンネルの放出を無効にするか、同じphx_fuel_source_01ノードでTemperatureを有効にして火をつけることができます。
この例では、一つのFire/Smoke Sourceで燃料が最初の2フレームで供給され、それから温度の上昇が始まるようにDichargeTemperatureFuelパラメータをアニメーションさせています。


Dischargeのアニメーション


Temperatureのアニメーション


Fuelのアニメーション

  • 最終更新: 2018/05/08 09:11
  • by oaksup3