V-Ray から V-Ray GPU にレンダラーを切り返る

V-Ray GPU 6 では、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的とした V-Ray GPU GUI の変更が行われています。ユニバーサル設定をより適切に表現するために、GPU サンプリングのデフォルトを更新しました。 GPUのUIは、V-Ray と V-Ray GPU 間を切り替えた場合に関連する全ての設定を保持できるようになりました。これには、カラー管理、GI、フレームバッファー設定、グローバル設定が含まれます。以前のバージョンの V-Ray では、V-Ray と V-Ray GPU を切り替えると、全ての設定がデフォルトにリセットされ、古い V-Ray GPU サンプリングのデフォルトは非常に積極的な設定でした。これの影響で GPU レンダリングの方が CPU よりもノイズ量が少なくなる設定になっていました (つまりレンダリングが遅くなります)。 V-Ray と V-Ray GPU の間で既存のシーンを移動するのは複雑な作業であり、GPU サンプリングに対する多くのテストと手動調整が必要でした。 V-Ray 6の GPU UI への新しい変更により、このプロセスが簡素化され、全てのサンプリング設定が V-Ray と V-Ray GPU の間で自動的に変換され、ユーザーにCPUと同等のノイズ結果が提供されます。

近年、V-Ray のワークフローは使いやすさ(簡便さ)を重視しており、V-Ray GPU はアーティスト側の詳細な設定無しにノイズのない画像をレンダリングできます。全てのサンプリング量は自動的に処理され、V-Ray GPU はスマートサンプリングとシーン適応性(アダプティブ)を使用してシーンについて学習し、各コンポーネント、拡散、反射、屈折などに最適なサンプル数を割り当てます。

V-Ray GPU は 2 つのスライダーを使用して、ノイズ/レンダリング時間、サンプル制限、およびノイズしきい値を制御します。 サンプル制限(Samples Limit )では、画像を調整するためのピクセルあたりの最大サンプル数を指定します。 ノイズしきい値は、ピクセルのサンプリングをいつ停止するかを決定します。値を高くすると画像内のノイズが多くなり、値を低くするとノイズが減ります。

V-Ray 6 GPUでは Samples Limit のデフォルト値を 2500 に変更しました。これはより優れた普遍的なデフォルト値を表しており、殆どのシーンで適切に機能するはずです。 サンプル制限はパフォーマンスに最も大きな影響を及ぼしますが、デフォルト設定は多くの普遍的なシーンで最適に機能します。よりクリーンなレンダリングが必要な場合は、Samples Limit を上げる前に、まずノイズしきい値(Noise Threshold )を低くして実験する必要があります。

ローカル(単一PC)でレンダリングするには V-Ray GPU でプログレッシブモードを使用し、ディストリビュートレンダリングではバケットモードを使用することをお勧めします。Chaosのアーティストは、殆どのシーンでは、2500 サンプル制限と 0.01 ~ 0.005 ノイズしきい値(Noise Threshold)を使用してレンダリングしています。V-Ray 6 の改良された AIデノイザーとIntelデノイザーを忘れないでください。以前よりもシェーディングのディテールをより良く保存できるようになりました。

V-Ray 6 では、GPU の UI が V-Ray と V-Ray GPU の間でサンプリング設定を自動的に変換し、CPUレンダリングと近いノイズ結果が得られます。ノイズしきい値は 2 つのエンジン間でリンクされており、以前のようにデフォルト値にリセットされません。 Samples Limit は内部で Max Subdivs にリンクされており、これにより既存の CPU シーンで GPU エンジンをテストするプロセスが容易になり、より適切なサンプリング設定を使用するため GPU エンジンのパフォーマンスが大幅に向上します。

さらに、V-Ray と V-Ray GPU を切り替えする際に、関連する以下のレンダリング設定が保持されます。

  • 全てのフレームバッファ設定
  • Global Switches
  • “Fit resolution to VFB” (IPR)
  • Light Cache 設定
  • Image Filter および Render Mask
  • Environment ロールアウト
  • Camera ロールアウト
  • Color Mapping ロールアウト
  • Color Management ロールアウト​
  • 最終更新: 2024/05/08 09:00
  • by oakcorp