ポータブルインストール
このページはプロダクション環境でのインストールを解説しています。(管理者向け)
個人で通常利用される場合はインストーラーを使用した通常インストールを行ってください。
概要
V-Ray インストーラーは解凍してポータブルバージョンとして使用できます。ポータブルインストールを作成すると、通常のインストーラーに比べていくつかの利点があります:
- ポータブルインストールでは、複数のBlender インスタンスを起動するときにカスタム環境を設定できます。(通常のインストールを複数回実行すると、V-Ray 環境変数が最後のインストールによって上書きされてしまいます)
- ポータブルインストールを使用すると、任意の場所またはネットワークドライブからでも V-Ray for Blender および V-Ray Standalone を実行できます。そうすることで、複数のユーザーがローカルでインストールを実行することなく、環境変数を設定するスクリプトだけを使用して、V-Rayとともに Blender を起動できます。
- 全てのユーザーのコンピュータでインストーラを実行する必要がないため、ポータブルインストールのアップグレードはフォルダを入れ替えるだけで非常に簡単です。
- ポータブルインストールでは、再インストールすることなく、異なる V-Rayバージョン間ですばやく切り替えることができます。
V-Ray ポータブル インストールで Chaos Unified ログイン ( 1 回のログインで全ての Chaos アプリケーションへのアクセスを許可するプログラム) を使用するには、個別にダウンロードしてインストールする必要があります。
ポータブルインストールから V-Ray を使用する場合、レンダリングを開始するには EULA に同意する必要があります。初めてレンダリングを開始するときに、ポップアップ ウィンドウが表示され、EULA に同意するよう求められます。バッチ レンダリングは例外です。
EULAに同意すると同意ファイルが生成されます。このファイルの存在があれば次回からEULAの同意はスキップされます。
ポータブルに V-Ray を実行するために必要な手順
ポータブルインストール用のファイルを作成するには、次のことを行う必要があります:
- V-Ray for Blenderインストーラーをダウンロードします
- インストールファイルを展開します。展開方法ついては、このページの「インストールファイルの展開」セクションを参照してください
- V-Ray for Blender の実行に必要な環境変数を設定します。詳細については、このページの「環境セットアップ」セクションを参照してください
- ライセンスをアクティブ化します。方法については「製品のアクティベート」ページにアクセスしてください
- Blender を実行します。
インストールファイルを展開
インストールを適切な場所に展開し、後で任意のコンピュータでV-Rayを実行する為に使用できます。詳細なステップバイステップガイドは次のとおりです:
1. V-Rayインストーラーの実行ファイル (.exe)をダウンロードします。
2. コマンドプロンプトやコンソールを開きます。ダウンロードしたインストーラーを -unpackInstall=解凍する場所 の引数をつけて実行します。
Enterキーを押してコマンドを実行します。例えば、全てのポータブルV-Rayビルドを格納する vray_builds という新しいフォルダーを作成し、その中にサブフォルダーを作成し、V-Rayビルドバージョンに応じて名前を付けることができます (例: vray_adv_62000_blender410_x64)。
例:
D:\Downloads\vray_adv_62000_blender410_x64.exe -unpackInstall=D:\vray_builds\vray_62000_blender410
インストーラーを展開すると、フォルダー構造は次のようになります:
D:\vray_builds\ ├── vray_62000_blender410\ │ ├── blender_root\ │ ├── blender_vray\ │ └── vray\
3. 新しいコマンドプロンプトで必要な環境変数を設定し、V-Ray for Blender を実行します。
環境変数の設定
ポータブルインストールを使用するには、V-Ray モジュールファイルへの環境変数を設定する必要があります。
V-Ray モジュールは <解凍された場所>/blender_root/modules にあります。これには、V-Ray for Blender を実行する為に必要な全てファイルが含まれています。また、モジュールファイルを使用して環境を設定する方法を記載した Readme 部分もあります。次の 2 つの方法のいずれかを使用して設定できます。
推奨: BLENDER_MODULE_PATH 変数を使用して、モジュールファイルのあるフォルダーを指定します。コマンドプロンプトまたはターミナルを開いて次の様に入力します:
以下のディレクトリとバージョン名の例は、vray_adv_62000_blender410_x64.exe が D:\vray_builds\vray_62000_blender410\ に展開されている Windows上の V-Ray for Blender を使用する場合を想定しています。
ここでは、環境変数とその説明および例のリストを示します。完全なセットアップの例を以下に示します。
set BLENDER_MODULE_PATH=D:\vray_builds\vray_62000_blender410\blender_root\modules;%BLENDER_MODULE_PATH%
モジュールファイルを Blender のフォルダー内に移動すると、セットアップを迅速に行うのに便利ですが、完全にポータブル化できなくなります。
ライセンスの参照先を指定
V-Rayを実行するには、Blenderモジュールフォルダへの環境変数とは別に、ライセンスの参照先を設定する必要があります。
ライセンス参照先はBlenderインストーラーに含まれるライセンス設定変更するツール(setvrlservice.exe)を使用してライセンスをセットアップできます。
あるいは、VRAY_AUTH_CLIENT_FILE_PATH 環境変数を使用して、V-Ray ライセンスサーバーの参照先 (IP アドレスとポート番号) を保持する vrlclient.xml ファイルを含むフォルダーを指定することもできます。
ポータブルインストールでは環境変数を使用することが最善のオプションであり、vrlclient.xml ファイルを手動で作成する必要がある場合、以下の様に記述してください。
<!-- Example contents of vrlclient.xml In this example, the primary IP address to look for a valid license is 10.0.0.100 at the default 30304 port. Alternate servers (hosts) have not been set. --> <VRLClient> <LicServer> <Host>10.0.0.100</Host> <Port>30304</Port> <Host1></Host1> <Port1>30304</Port1> <Host2></Host2> <Port2>30304</Port2> <User></User> <Pass></Pass> </LicServer> </VRLClient>